もりしまです。
今週日曜日 ツールド沖縄 市民140kmレースに参戦してまいりましたのでレポートを。
毎年参加しているこのレース。今年で連続10回目。
実は先週台湾のトライアスロンに出場してから、胃腸にまだダメージが残っているようで
今週ずっと食欲がない。
少ない食事ですぐにお腹がいっぱいになってしまう。カーボローディングなんてとても無理。
・・・・なんだかレースする前から結果が見えているような気がするが、
自転車が新品だから去年より楽に走れるはずだ、と言い聞かせ、深く考えないことにする。
レース当日、気温は24度ぐらい。天気は晴れたり曇ったり。
午前9時すぎ、市民140kmレース 326人が一斉にスタート。
集団は時速45kmぐらいで海岸線を北上する。
先頭をよく見ると、さっそく集団から飛び出している選手が2人いる。
ゴールまで138kmあるけど、2人で逃げ切るつもりなんだろうか。
集団は与那の登り区間に入ると一気にばらばらに。
ここから標高340mの山を登り「普久川」関門を目指す。
もりしまがエントリーした市民140kmはこの山を2回登る。
登りが苦手なので、ここでスピードダウンしてしまうと完走すら危くなってしまう。
自分よりちょっと速いぐらいの人を見つけて必死に付いて行く。
1回目の登りを終えて、10人の集団ができた。
皆、レースに慣れた様子でローテーションをこなし、登りもそこそこいける。平地の巡航もかなり早い。
願わくば、この10人で、このままずっと行きたい。
スタートから40km地点、「奥」関門でホワイトボードに先頭の通過時間が書いてあった。
先頭は6分前に通過したようだ。登りを1回こなして6分差だったら、もりしまにしては上出来。
しかし、2回目の普久川へ向かう海岸線で早くも足が攣り出した。
先頭交代に加わることができなくなり、集団の後ろに、かろうじてしがみつく。
平地で、しかも楽チンな集団にいて、足が攣るなんて今までありえない。
トライアスロンのダメージは足にも残っていた。
あと、レース前に食べたエネルギーバーが気持ち悪くなってきた。
2回目の「普久川」の登りは、1回目より大幅なペースダウン。
頂上付近で、ついに両足の表側、裏側、ふくらはぎ、全部が攣った。やばい。
でも頂上を越えるとしばらく下り区間なので、ここで脚を休めないと。
下り区間ではカーブを曲がりきれず転倒している選手が数人いた。
額から血を流しているのが見えたが、他人の心配をしている場合ではない。
地面に破損した部品が散らばっていないか目を凝らす。時速70kmで踏んだら、こちらもただですまない。
レース前にライトを装着して走っている選手を見かけたが、レースに関係ない部品は極力外して欲しい。
あと両耳にイヤフォンして音楽(ラジオ?)を聴きながらレースしている選手がいたが、
もう、何を考えているのかわからん。
後から市民210kmの選手が横を通過していくので、ペースをあわせようとするが、すぐに足が悲鳴を上げる。
付いて行きたくても、スピードを上げられない。
まだ100kmも走っていないのに首や肩が痛くなってきた。情けない。
痛いところをかばって走るから、そのしわ寄せが来たんだろう。
普久川を越えると、止まりそうな速度でふらふら状態になりながら坂を登っている選手を
多く見かけるようになった。
自転車から降りて攣った足をマッサージしている選手も全部で30人ぐらい見たし、
両足が攣ってペダルが踏めなくなり、立ちこぎ状態から道路に倒れる選手を目の前で3人見た。
弱った選手には容赦ない苦しみが。
悲惨なサバイバルレースになってきた。
まあこんな所で脚を攣っている自分が悪いんだけど。
88km地点「高江」の関門を通過。関門の閉鎖10分前だった。
残りの関門3つ越えられるだろうか。タイムアウト、という結果が現実味を帯びてくる。
と、突然後ろから「平良までは行こう!」と市民140の選手に声をかけられた。
OK。行けるとこまで行ってやる。
のどから返事を搾り出して、2人で先頭交代して進むことにした。
なんとか「平良」の関門を通過。タイムアウト9分前だった。
もう一つぐらい関門越えたいなぁ~、 ああ でも両足の筋肉全部がまた、攣った。
もりしま、ここで切れます、声かけてくれた灰色ジャージさん、ありがとう。さよなら。
ペダルを踏み込むと脚が攣ってしまう。
そこで、立ちこぎして体重をペダルに乗せ、なんとかごまかしながら前に進む。
登り坂では時速7kmぐらいしか出ていない。ひでーな~、サイクリングだってもう少しスピード出るぜ・・・。
平均速度を見てみる。たしか時速28km平均で走らないと時間的にタイムアウトになる、だったかな。
サイクルコンピュータをポチポチ。平均速度は26.5km・・・。 だめだ、こりゃ。
あー、完走できないと解って走ってんのか・・・。
給水所でもらった水を頭からかぶって気合を入れよう!
ボトルに手を伸ばしたら右手の指が攣った。体が全力で競技を止めさせようとしている。
やる気にストップをかけないと、体は攣ってストップをかけてしまうのだ、という事を覚えた。
さっきの関門で自転車を降りるべきだったかな。
でもレースに出た以上、あきらめない。途中棄権はぜったいしない。
と、後ろからツールド沖縄広報車が。
「ただいまツールド沖縄最後尾の選手が通過いたしました。市民の皆様ご協力ありがとうございました」
過去形だよっ!
広報車からタイムアウトを告げられた。なんでも選手を収容するバスが後ろからやってくるとの事。
さっき頭から水をかぶったばかりだけど、ずぶぬれのままバスに乗れってか。
まあ、後ろから収容車がやってくるまで服を乾かしながらサイクリングすることにした。
脚を攣りながらクローズドされた「阿部」の関門に到着。ここで自転車につけたセンサーを回収された。
自転車乗りの夏が終わった。
ゼッケンとか外してゴールまでの20kmを自走して帰る選手もいたが、今の自分は走れる自信がなかった。
おとなしく収容車に乗ることにする。胃が気持ち悪いし、疲れて眠い。石に腰掛けて、そのまま寝てしまった。
レース後はチームGiroさんに混ぜてもらい今シーズンの打ち上げ。
久々にマニアックな自転車話で盛り上がった。
今年の沖縄は佐渡国際トライアスロンよりしんどいよ。
でも来年もまた140kmのスタート地点にたっているんだろうな。