もりしまです。
最近活躍のヤスさんに負けじと、遅い夏休みをとって東北を走ってまいりました。
10日分ありますので、やたら長いです。
~1日目~
飛行機で青森空港に到着。
あぁ また一人でこんなところに…。
空港を出て100mのところ、いきなり熊注意の看板発見。
熊除けの鈴、こんど持ってこよう…。
青森のみなさーん INNER-ROWでーす おじゃましまーす。
青森もそうですが、東北の自動車ドライバーは親切な方ばかりでした。
ただ青森の道路端は石ころが結構多い。
注意していたつもりが、10kmも走らないうちにパンク。
しかも、持ってきた携帯ポンプ バルビエリCarboOneが不調。
口金部分を本体にねじ込む隙間から空気が漏れているようだ。
しかたなく新しく携帯ポンプを買うことに決めたが、
なかなか置いているお店が見つからない。
交番で尋ねても、教えられたのはいわゆる町の自転車屋さんばかりで、
ロード用部品を扱っているような店は見当たらない。
日没までに宿泊地に着きたい。 うーん焦る。
3件目の自転車屋さんで、仏式と米式バルブ両方で使える中途半端なタイプを見つけた。
パッケージに「高圧対応」の記載は無い。大丈夫か?これ。
すがる気持ちで購入するが、やはりというか、3気圧ぐらいまでしか入らない…。
英仏変換バルブ持ってくればよかった。
米仏変換バルブでも、ガソリンスタンドで空気入れられるんだっけ?
それより出発前に使えるか機材の確認しておけよなぁ。
青森のみなさーん だれか高圧入るフロアポンプかしてくださーい。
石ころや道路上の段差でリム打ちパンクを繰り返しながら、
日没寸前、今日の目的地、恐山のふもとにある「むつ」にたどりついた。
道中は散々だったが、食べ物はうまーい、やすーい。
うにの炊き込みご飯が絶品。ホヤの酢の物、かにのてんぷらも良かった。
この定食で2100円。安い。
1日目の走行距離 129 km
~2日目~
恐山に向かう前に本州最北端の大間崎をめざす。
途中、先日の台風が残した爪あとを目撃。
ここは一昨日まで全面通行止めだったらしい。
最北端石碑。
大間では、道路は昆布を干す場所と化している。
大間行かれる方、足元にご注意。
大間のすし店、浜寿司で寿司を注文。
冷凍マグロではない、新鮮なホンマグロ。
身は締まっているような気がする。味もなんとなく上品な・・・。
やっぱり味の違いはよくわからん・・・。
大トロは文句無しに おいしい~。
東京で食べるよりは、たぶん安い と思う。
恐山に向かう途中、またリム打ちパンクしたので、
昨晩修理を試みたバルビエリCarboOneで空気を入れてみる。
ん、空気入るじゃん!! やった、空気入れ、なおってる。
空気が漏れていると思われる、「ねじ溝」部分にビニールを巻いて
本体にねじ込んでみたのが功を奏したようだ。
高圧が入ったおかげで今日以降パンクはなくなった。
恐山に近づくと硫黄の臭いがかすかに漂ってきた。
道は距離も傾斜もたいしたこと無いはずなのに、登りがやけにキツイ。
今日すでに100km走っているから?荷物が重いから?
それとも恐山特有の何か?
恐山参拝。
地面から湧き出る湯気、荒涼と岩石の広がる風景が、なるほど地獄っぽい。
むつから青森に戻って青森市内泊。
2日目の走行距離 144 km
~3日目~
本日は朝から雨。さらに昨日から体調も優れない。
薬局で薬を買って飲んだのだが、
病状がよくわからないので医療機関を受診する事にした。
タウンページでクリニックを探す。
医師の話では、「薬で抑えられるよ」との事で
市販の薬より強力なやつを処方してもらった。
タウンページは以外に役に立った。クリニックの地図まで載っていた。
インターネット全盛の昨今、使い道あるのか?と思っていたし、
広島の厳島神社では鹿に食べられたりしていたけれど、ごめん見直したよ!
これからも時々利用するから、ロードレーサー取り扱い店とかも載せてね。
弘前の宿に着いたが日没まで2時間あるので、白神山地に行ってみることにした。
街灯も無い暗い山道をビビリながらヒルクライム。
宿に余計な荷物を置いて行った所、体が軽い! 当たり前だけど。
恐山での苦い経験も踏まえ、余計な荷物は宅急便で東京に送り返した。
3日目の走行距離 127 km
~4日目~
弘前から十和田湖を通り、八戸をめざす。
十和田湖に向かう途中、明かりの無い真っ暗なトンネルが現れた。
距離が短そうなのでライトをバッグにしまったまま、
減速して突入すると、暗闇から音が聞こえてきた。
「チュー チュー。」
えっ、まじ?ネズミいんの! 真っ暗でぜんぜん見えないけど(汗)
さらに減速し、ハンドルを握り締め、万が一の衝撃に備える。
トンネルは無事通過。怖ええ。
一応秋田県側なので、比内地鶏のきりたんぽ鍋を注文。
比内地鶏ウマイ! 噛むたびに味が! 特に出汁が最高!
お店のおばさんと仲良くなったら野菜サラダをサービスしてくれた。
ありがとう!おねーさん!
八戸では郷土料理、せんべい汁、ひっつみ、いちご煮等を注文。
いちご煮はウニとアワビが入った贅沢な潮汁。うまいです。
4日目の走行距離 150 km
~5日目~
八戸からに太平洋沿いに田老をめざす。
話には聞いていたが、リアス式海岸沿いは上り下りの連続。
おとなしく山側の国道を走っておくべきだった。
この日あたりからユンケルを常飲するようになる。
ユンケルって効きますね。さすが医薬品。
5日目の走行距離 155 km
~6日目~
本日は田老から浄土が浜を目指し、盛岡にいたるルート。
まずは宿泊した宿近くの三王岩を見に行く。
その帰り、頭上近くをカモメの群れが飛んできた。
ん、近い、オイ!コラ近寄りすぎだぞ!
羽をばたつかせて衝突を避けようとするカモメ。
あぶね! 羽がヘルメットをかすめた。
と、よほどびっくりしたのだろう、カモメが吐しゃ物を浴びせてきた。
カモメもゲ○を吐くんだ…。
鵜飼いは、びっくりすると飲み込んだ魚を吐き出してしまうという、
鵜の習性を利用して漁を行う。
そういえばペンギンを脅して飲み込んだ魚を横取りする鳥もいたなあ。
びっくりすると胃の内容物を吐き出すというのは、きっと鳥類共通の習性なのだろう。
魚くさい粘液と未消化の鱗がついたヘルメットを洗いながら思った。
ジャージ、自転車は魚くさくないので、なんとかセーフみたい。
ヘルメットは思わぬ所で身を守ってくれますね。
この辺の町は津波用のコンクリート防護壁に囲まれている。
地震=津波に注意、なんですね。まるで万里の長城。
風光明媚な浄土が浜。
ここからひたすら盛岡まで延々60kmもヒルクライム。
6日目の走行距離 139 km
~7日目~
盛岡では「盛岡冷麺」元祖のぴょんぴょん舎、
「じゃじゃ麺」元祖の白竜に行った。
やっぱ炭水化物はうまい。
本日の宿泊地、一関に向かう途中、中尊寺を観光し、
前沢で前沢牛のしゃぶしゃぶを食した。ええ、そりゃもうウマイですよ。
ステーキの値札を見たら1500円だったので、頼んじゃおうかな、と思ったが、
よくみたら15000円(250g)の間違いだった。
80gでも4000円・・・。手が出ません…。
これでも良心的なお値段の店なんですが。
7日目の走行距離 132 km
~8日目~
一関の名所、厳美渓を観光。
タライに400円を入れて合図をすると、対岸の団子屋からお茶と団子が運ばれてくる。
この仕掛けが観光客に大人気。
一関から国道4号線をくだり仙台に到着。
牛たん定食発祥の店 太助で遅い昼食。
席に座ると突然、店員のお兄さんに「自転車やっているんですか」と聞かれた。
普段着でお店に入ったのになぜ?
聞いてみると特徴的な日焼け姿なので、すぐわかるらしい。なるほど。
お兄さんはピストのフレームを探しているらしいが、なかなかサイズが無いとのこと。
こちらも自転車で東北を旅をしていることを告げると、
「東京までは、自転車で帰るんですか?」
えっ、いや福島まで行って輪行で帰るけど・・・。
でも、自走するのもいいかなぁ。
最終日の10日目は仙台から福島まで走行して
新幹線輪行で帰るつもりだったが、
お兄さんの一言で、仙台から東京まで自走してみることにした。
8日目の走行距離 129 km
~9日目~
本日は日本三景 松島の観光。
空いている時間を狙って塩釜の有名店「すし哲」に行ってみる。
盛り付けがきれい。親方や職人さんの対応も気持ちいい。
全国にファンがいるというのも判る気がする。もちろん味も文句無いです。
本屋で改めて明日の走行ルートを確認すると、東京まで約360km。
東京まで走ることを想定していなかったので、地図を作っていなかったが、
ひたすら国道4号線を進めば迷子にならないだろう。
9日目の走行距離 108 km
~最終日10日目~
天気は雨。
朝は本当に苦手だけれど、気合を入れて朝4時に起き、出発。
ロードレーサーを始めたころ、18時間かけて302km走ったことがある。
あの頃よりは、だいぶ成長しているはず。
しかし眠い。あくびが止まらない。軽い吐き気もする。典型的な寝不足。
いくらなんでも睡眠時間が足りないのは問題ありすぎるので、
雨をしのげる適当なトンネルで自転車にまたがったまま20分ほど仮眠を取る。
仮眠をとった後はいたって好調。ひたすらペダルをこぐ。
ハンガーノックを起こさないよう、30~45分おきに何か口に入れるようにして、
のどは渇いていなくても、常に水分を少量摂取するようにした。
また特定の筋肉ばかり酷使しないよう、足の筋肉をまんべんなく使い
ペダリングも血流の循環も意識して低い負荷を高回転でまわす。
自転車に乗ったままでのストレッチも上手くできるようになった。
あとは苦痛との戦い。
「痛い」と言ってくる脚、おしり、手のひら、肩の訴えを全て無視。
栃木県に入り、走行距離が230kmを越えたあたりで
終わっていると思っていた足が突然復活した。
フロントのギア52・リア21を90回転/分で回し、30km巡航できるようになった。
宇都宮から下り基調だから? ユンケルが効いて来たのか?
1時間ほどこの速度をキープできた。こんな力残っていたのか。
いままでの230kmはウォーミングアップ?
ふくらはぎが攣りそうになったのでギアをひとつ軽くした。
巡航速度は27kmに落ちたがケイデンスは90回転を維持した。
本当に今日走り始めた時より調子がいいかもしれない。
埼玉に入り、だんだん見慣れた風景に変わってきた。
荒川サイクリストにはおなじみの戸田橋。
でも今日は東京に帰ってきたんだ、と感慨深いものがある。
本日の走行距離は357km、17時間かかった・・・。
今回の旅ではペダリング時の筋肉の使い方や食事補給のタイミング、
快適な乗車姿勢について、いろいろ見直すことができ、大きな収穫だった。
自転車トレーニングとしての効果は定かでないが、
精神鍛錬には絶大。
富士チャレンジ200ソロの予行練習にもなったかな。
10日間の走行距離 1572km